フェルデンクライスメソッド
モーシェ・フェルデンクライス博士によって
開発された身体訓練法。
・なぜこのメソッドが生まれたのか?
・電車の中で眉間にしわを寄せている人
見かけませんか?
・どんなことをするの? 1, 2
・からだが楽になると、顔がきれいになる?
・メソッドと私
・メソッドとヨガとリンパマッサージ
なぜこのメソッドが生まれたのか?
博士は優れた物理学者であり、有能なスポーツマンでもありました。
また日本の古武道にも関心を持ち、柔道の黒帯保持者でした。
ある日彼はサッカーの試合中、左膝に致命的なケガを負ってしまいます。
医師は治らないと彼に告げました。切断も勧めました。
ところが博士は「自分で何とかする」と決心します。
このメソッドが生まれた「きっかけ」です。
そして博士は歩けるようになりました。
わたしがこのメソッドを学んで思うには
博士は脚を治そうということより、歩けるようになることを開発した、ということです。
『歩く』を根本から、本当に根本から学び直すことになったのです。
つまり、赤ちゃんが『歩く』を獲得するレベルから、『歩く』を学び直すことに。
何にも知らない赤ちゃんは、いっぱい失敗しながら動きを獲得していきます。
◎初めての重力◎
◎成長が著しい◎
◎言葉が話せない◎
こんな条件の中、赤ちゃんは試行錯誤を繰り返します。
転がってみようかな~、右かな左かな~、
起きるには頭が先かな~、おしりが先かな~、
ひざを曲げてみようかな~。。。
その試行錯誤は、脳をどんどん発達させます。
脳の発達は、からだの動きと大きな関係があります。
フェルデンクライス・メソッドでは、からだの動きと脳の神経回路に注目しています。
電車の中で、眉間にしわを寄せている人を見かけませんか?
獲得した動きを増やしながら子どもになります。多様に使い分けて大人になっていきます。
ところが大人になるにつれ、無理しすぎることが増えてきます。
がんばることは必要ですが、その時の動きの習慣が残ってしまうことがあります。
がんばる必要がなくなっても、それらの多くは無意識に残っています。
電車の中で眉間にしわを寄せたままの人、見かけませんか?
大ケガをした博士や、左膝が痛くなった私も含め、
からだの使い方に無理をさせ続けていると、
関節や筋肉などに問題を起こすことがあります。
一方、赤ちゃんはどうでしょうか?
◎赤ちゃんは、からだに無理を押し付けません。
↓ ↓ ↓
からだの仕組みに合ったからだの使い方をしている。
◎赤ちゃんは、ひとりでは生きていけません。手段を手に入れる必要があります。
↓ ↓ ↓
『歩く』『立つ』『食べる』『つかむ』など目的に応じたからだの使い方をしている。
◎赤ちゃんは、みんな同じ動きをしません。
↓ ↓ ↓
いろんなやり方が出来る。何が正しいというこだわりを持っていません。
フェルデンクライス・メソッドは、赤ちゃんの動きを学びなおすことで、からだを
無理のない使い方、目的に応じた使い方、自由なからだの使い方に
リセットして、ケガをしないような使い方に変えていくメソッドです。
また動きの自由さを取り戻すことで、能力を開発していきます。
『心をひらく体のレッスン』 より抜粋 M.フェルデンクライス 著 / 安井武 訳
・・学ぶときに大事なことは、何を学ぶかではなく、いかに学ぶかなのです。・・・・・・・小説を書くとしても、何を書くかは重要ではありません。三角関係をとりあげたってよろしい。その手の小説はゴマンとあります。だがいかに書くかがプルーストやトルストイを生み出し、買ってもポイと捨てる三文小説と区別するのです。・・・・・・・女性のお尻を描くのもいいでしょう。絵になっているそういうお尻はどっさりありますよね(笑)。・・・・・・・・でも記憶に残るようなのはこの世にわずかしかありません。なにを描くのではなく描き方しだいなのです。
どんなことをするの? 1
いろんな方法があります。
モーシェ・フェルデンクライス博士は
さまざまな科学、ボディワークや心理学、ヨガなどを学んで
このメソッドを開発しており、要素をたくさん含んでいます。
◎機能統合◎ (ファンクション・インテグレーション)
大部分はからだを優しく触って感覚を高めたり、
構造である骨・筋肉の位置を教えてあげたりします。
そして動きを提案して、気づきを学んでもらうことで、からだと脳の結びつきが良くなり
歩くことがスムーズになる、呼吸が楽になる、視界が高くなる、
腰が痛くなくなる、首が軽くなる、いろいろです。
もともと博士による機能統合が出発点です。
次の『動きからの気づき』は、評判になった博士の教えを習う人が増えたため
グループでも出来るように開発されたということです。
どんなことをするの? 2
◎動きからの気づき◎ (アウェアネス・スルー・ムーヴメント)
赤ちゃんはイチゴをイチゴと分からず、味やにおい、食感などで
脳にイチゴ情報を入れます。するとどう食べるかという動きの神経回路が出来ます。
これと同じように、まったく初めてやるようにやってみるのです。
赤ちゃんは無理でも、
子どもの頃のように楽しく、興味深く、遊ぶようにやってみることが、学びの基本です。
たとえば、仰向けになって骨盤を前後に動かすことを
「あれー。。腰が後ろに倒れると、おなかが短くなって、膝が曲がるよ」
と、こんなふうに。
背中は?首は?呼吸は?と周囲にも関心を向けます。
これにより動きの回路を再学習することになります。
↑は骨盤時計というニックネームのついたレッスンの一部です。
人によって気づくポイントは違いますが
たとえば、骨盤を後ろに倒したとき、
アゴを動かすことを全く忘れていた場合、背骨の動きが偏ってしまいます。
ところがアゴを固めなくてもいいんだと気づいたなら
首や腰が痛くなる原因を減らすことになります。
フェルデンクライス・メソッドでよく出てくる言葉
セルフイメージ/ボディイメージ
実際に見た形ではなく感覚として捉えている存在。
たとえば柱に肩がぶつかることが多い場合、
ボディイメージがずれていることによって引き起こされていると考えられる。
からだが楽になると、顔がきれいになる?
一番最初のトレーニング(約2週間)を終え、数ヵ月後のトレーニングに再会した
仲間の顔を見て感じたのは、女性も男性も
「美しくなってる?」でした。
フェルデンクライス・メソッドは、からだの開発ですが脳も発達します。
そうなると、
若返るとでも言うのか・・・・・・、
目に深みが出ると言うのか・・・・・・、
すっきりすると言うのか・・・・・・。
からだの筋肉の緊張度がリセットされてくるので
動きもしなやかに変わります。そして歩き方などに変化が出てきます。
歩きに変化が出ると、脳に入る情報が変わるので
もちろん表情にも影響あります。
実際にトレーニング中に自分の顔が変わることや、
仲間の顔が変わることが、しょっちゅうあります。
特に機能統合の後では、子どものような可愛い顔になることや
頼もしい精悍な顔になることも何度も見ました。
表面のしわ防止や、がんばって手に入れる、キープするアンチエイジングより
よっぽど根本的だと思います。
じつは有名人もけっこうやっています。
海外の有名な女優、指揮者、歌舞伎役者、Jリーガー・・・。
コンディショニングとして取り入れているのでしょうね。
エイムック Yogini 別冊 『自然力ケア』 にフェルデンクライスが
「効果抜群エクササイズ」という記事で、取り上げられています。
メソッドと私
メソッドと出会う前、たびたびヨガレッスン中に頭をよぎったのは
『この人はどうしてポーズが出来ない??』ということでした。
何度トライしても、やり方が分からない。
『気持ちよくやれたらいいですよ~』と言っていました。それはそうなんですが。
そうして元来の探究心から
『ポーズのプロセス』にヴァリエーションを持つヨガも習っていました。
そこである程度ケースバイケースを学ぶことも出来ました。
ところが私自身のからだは、どんどんチグハグになっていたのです。
右のカカトが腫れて変色しています。
(そのヨガのせいではないです。 充分健康になっている人もいますから)
ですが、わたしのからだが求めていることは、もっと違うことでした。
ある時、自分のからだが傾いていることに気づきました。
直しても直しても元に戻ります。
左の膝が痛くなってきました。
足専門の接骨院に行き治療してもらいました。
コンピューター測定によると、右足がわずかに外反母趾でした。
靴をウォーキング用に変えたり、色々やりました。
でも一番効果があったのは、フェルデンクライス・メソッドでした。
初めてメソッドを体験した時、
『わーお、ニューボディ! 別の世界に来たみたい』でした。
楽な動きなのに、確実に変化に包まれていました。
軽くて背が高くなって楽なのです。
『いいもの見~つけた!』 『みんなこれをやればいいのに』
それくらい感動でした。
からだを変えるって自分が思っていたのと、ほとんど逆だったのです。
・・・・・・そっかーこっちね!
それからトレーニングプログラムに入って今も学んでいます。
メソッドと ヨガと リンパマッサージ
メソッドを学ぶことで自分の可能性が広がりました。
たとえばリンパマッサージなどは、からだの使い方が悪いと腰・背中が痛くなります。
ところが体軸を使うとそんなに負担がかかりません。
マッサージの受け手も、楽なのです。
フェイシャルマッサージの時は、特に繊細な部分へタッチしますから
手の緊張や疲れが無いように、ほぐれるワークをしておけます。
これはヨガには無い特徴です。
ヨガレッスンをするときも、メソッドからヒントを得ることが多いです。
ポーズよりプロセスを大事にしています。
なぜなら、プロセス中に気づくチャンスに恵まれることが多いからです。
レッスンに、不思議な?動きを入れていることがあります。
これによって理屈ぬきで、からだが学ぶことになります。
膝立ちで反るラクダのポーズなんかも『・・・何だか楽にポーズ出来た!』
そんな言葉をいただけると本当にうれしい。
理論や思い込みではなく、子どものように学んでもらえると
『つながった!』と感じられます。
クラッシックなヨガをされている方から見たら、
私のレッスンはオリジナルな路線に映るかもしれませんね。
まあ、今までやってきたことと
私という人間と通して、ヨガを通して、何を伝えたいかということがある。
それだけでOKではないでしょうか?
現在はそう思っています。
BODY STUDIO Fine-Q Yasuko
BODY STUDIO Fine-Q (大阪・南堀江)主宰。